冠婚葬祭でみつかる認知症
2017.05.14
横浜市立大学精神医学教室の認知症研究会がありました。精神科医局メインの会でしたが、医学部や部活関連の懐かしい先生方ともお会いでき、楽しかったです。
代表的な若年性認知症のひとつである、前頭側頭型認知症(病理学的には、前頭側頭葉変性症)の講演がありました。診断基準はNeary(1998)、Rascovsky(2011)があります。空間認知・記憶は保持されますが、以下のような行動異常があれば疑わしいです。反社会的行為(万引きなど)・脱抑制(我慢ができな)・被影響性の亢進(じっとできずすぐに周りに反応してしまう)・整容服装の乱れ・共感性欠如(そっけない対応)・常同行動(きっかりした時刻表的行動や無意味な反復した動作)・食行動変化(甘いものやからいものを好む)などがあります。
これらは、日常生活での誤差範囲との差がつかみにくいと思います。今回の新井先生のお話で、冠婚葬祭の場で、これらの変化がみつかることが多いとのお話があり、患者さん家族に確認しやすい問診のポイントと思いました。緊張感を保持すべき冠婚葬祭の場において、普段着で来て、場にそぐわない言動を平気でし、礼儀がないなどで、「あの方、大丈夫?」との話につながるようです。