群発頭痛とその類縁疾患
2017.05.31
突然重度の頭痛が連日性に繰り返す場合、群発頭痛かもしれません。群発頭痛は、片方の目や側頭部に限局し、夜を中心とした決まった時間に発生します。視床下部の体内時計にその発生源があると考えられており、その時間的正確さを裏付けていると思います。一般的に、頭部自律神経症状を伴うとありますが、自覚されない場合もあり、注意が必要です。毎夜繰り返し起きるため、睡眠不足となり生活支障度は高いです。
群発頭痛は、三叉神経自律神経性頭痛TACsのくくりに入っており、持続時間によって、片側頭痛やSUNCT/SUNA(サンクトスナ)と疾患名が変わります。背景にあるメカニズムも異なると考えられており、治療薬も異なります。
また、診察時に群発頭痛と思った方でも、MRIで二次性頭痛であったケースも多々あります。怖いものでは、椎骨動脈解離・脳動脈瘤切迫破裂(特にICPC)があります。椎骨動脈解離は、片側後頭部の持続痛と思われがちですが、側頭部に放散する場合もあります。他にも、副鼻腔炎・一次性穿刺様頭痛・緑内障・内頚動脈海綿静脈洞瘻・三叉神経痛などがあり、それぞれ対応が変わります。SUNCT/SUNAは三叉神経に腫瘍があったり血管圧迫があったりとの報告もあり、精査が勧められます。一般的には三叉神経痛といえば「典型的三叉神経痛」を指します。頬や歯に発作性の痛みがあり、歯磨きなどで痛みが誘発されるトリガーがあり、痛み発作の後に痛みが誘発されないフェーズがあるなどの特徴がありますが、SUNCT/SUNAは眼周囲の三叉神経痛の可能性もあるのではと思います。
TACsはそれぞれ予防薬・頓用方法が変わります。酸素が有効な場合もあります。一旦収まっても忘れたころにまたやってきますので、お気軽にご相談ください。