エムガルティupdate(東日本)
イーライリリー株式会社主催、東日本エリアWeb「エムガルティ~これからの片頭痛治療を考える会」がありました。品川ストリングスクリニック 理事長・院長 山王直子先生のご講演、宮前平脳神経外科クリニック 院長 上野龍先生 座長でした。
山王先生のご講演および、質疑、ディスカッションで得られたエムガルティ/レイボーupdateできた要点をいくつか提示します。
・CGRP注射は、院外処方が標準治療とする必要がある:多くのCGRP製剤を処方するにあたり、保険上、医療機関にかかる問題があります。一般的解決法としては、在宅自己注射を導入していくことになります。それには、患者さんが自己注射を学ぶ必要があります。どうしても打てない方もいますが、一度できるようになると、抵抗がなくなるうえ、多くのメリットがあります。(Ex 来院回数が減る 自分のタイミングで補充できる 調子のよい時は延長できる 保険者によっては半額近くになる)
・CGRP製剤では回数を重ねるごとに、従来予防薬(ミグシス デパケン トリプタノール インデラルなど)に比して、頭痛間欠期の不調や不安の改善がよりみられる
・頭痛間欠期(次に来る頭痛に対する予期不安 予定を制限してしまう だるい 億劫 感覚過敏 易疲労性。。。)の症状は、頭痛回数の減少や痛み止めの服用錠数に相関して低減することが多い
・頑固な月経関連片頭痛には、日中はアマージ 眠前レイボー100㎎が推奨される(めまいなどの副作用が気にならない場合)
・7-8回注射をしている方の一部に、頭痛日数や支障度が下げ止まる方がいます。解決法として、薬物乱用はじめ増悪因子に注意する、従来予防薬や漢方などを一時的に併用するなどがあります。しかし、late responderとよばれる遅れて改善する方々もいます。小生の経験からも、1-1.5年は根気よく続ける必要があると感じます。
・人生におけるトータルの片頭痛負担も、発作間欠期の不調も、CGRPを早期から導入することで改善がえられる
(ほどがや脳神経外科クリニック 日暮雅一)