こどもの頭痛/アイモビーグ
AMGEN株式会社主催、全国配信の「頭痛らじお~解決したい!日頃の疑問~」がありました。今回は、東京医科大学 小児科・思春期科 主任教授 山中岳先生を招聘し、小生が座長を担当いたしました。Discussionにおいては、武蔵小杉小児科てんかんクリニック 院長 日暮憲道先生と、急遽小生から依頼して、横浜市立大学脳神経外科主任教授 山本哲哉先生(小児脳神経外科エキスパート)に参加いただいました。小児科/小児神経/てんかん/頭痛/睡眠の専門家から、子供の頭痛外来におけるむずかしいところと、妥当な対応の仕方などを学びました。
小児頭痛においては、まずは怖い頭痛(脳腫瘍や脳血管障害はじめとした脳神経外科疾患)その場合においても、小児および親御さんへの接し方は慣れが必要で、おとなとは異なります。そのあたり山本教授にご意見いただきました。
大きく分けて、一次性頭痛(緊張型頭痛・片頭痛) 起立性調節障害OD 心理社会的要因の3つにわけて要素を検証することを学びました。トータル367種類の原因があるとのことで、その「見えない頭痛」への対処をご教授いただきました。大人の頭痛と異なる点は、本人が訴えるのではあるのですが、正しく表現できているのか? また親御さんが一緒にいるのでそちらへの配慮や心配の解除および情報収集と協力が不可欠です。
山中先生より、「まず片頭痛をみつけましょう」とのことで、「すごく痛い時の頭痛って、、、」として片頭痛の分析が重要であることを知りました。特に親御さん別室に待機してもらって、本人が自由発言しやすい状況をつくって、優しく傾聴し、共感を続ける姿勢はベースとして必須であることが肝に銘じられました。また発作間欠期の過敏性(まぶしい、音響く)などもあるのが特徴です。
山中先生より、子供の片頭痛の特徴は、短い時間 両側前頭部 拍動性がない 腹部症状(嘔気・酔いやすい・嘔吐)こと、緊張型頭痛も多いですが、嘔気もまれに伴います。
片麻痺性・脳幹性・網膜性は、トリプタン製剤の使用は控えましょう。
起立性調節障害ODの場合、4種類ありますが、特に頭痛と関連するのは、POTS起立性頻脈症候群です。これは40%に片頭痛を合併することもしられています。山中先生は、薬よりも、水分塩分の補充や、ゆっくり動作するコツの指導などがより重要と述べておりました。薬では、メトリジン 半夏白朮天満湯 エビリファイなどがよくみられますが、その前に生活調整が必須の事項となります。
医師への警鐘として、オーバーめに訴えるケースもあり、そのまま対応しないようにすることが重要である 支持的精神サポートを意識する 時間がかかることを覚悟してもらう 傾聴共感姿勢 痛み評価は数字で などがありました。
最後に、情報交換後に一枚 左より、憲道先生 山中岳先生 山本先生 小生