TOPへTOPへ

ブログ

認知症の焦燥・暴言・拒絶の管理-レキサルティ

ブログ  / 認知症

大塚製薬主催、神奈川県レキサルティ適応追加記念 BPSDセミナーが、現地+WEB配信でありました。レキサルティが昨年に、アルツハイマー型認知症に併発するBPSD/認知症に伴う行動心理症状(NPCという言葉もあり、こちらは神経性新症候群という)に対して保険適応となりました。当院でも10%の患者さんに、ご家族や施設の方のご負担が強く処方しており、少量でも安全にコントロールできております。本会は、神奈川中心の神経内科重鎮で構成され(小生以外)、特別講演は 東京都健康長寿医療センター 副院長 岩田淳先生 という重厚な会でした。

東京都健康長寿医療センター脳神経内科の岩田淳先生より、認知症患者における、NPC(不安・うつ・興奮・アパシー・焦燥・幻覚妄想)についてお話いただきました。アルツハイマー型認知症でよくみられる、「同じ質問をなんどもする」などよりも、「拒絶・ののしるなど」のほうが、介護家族は負担を強くかんじているデータが示されました。軽度認知障害(MCI)の段階でもNPCはみられ、抑うつ26% 焦燥14%とのことです。放置することにより、認知症自体が悪くなり、QOLも低下し、感染症・骨折などによる入院する確率が増えて、より早期に亡くなります。 

「焦燥」は、IPA国際老年精神医学会では、過活動・攻撃的発言・攻撃的行動に定義され、暴言 暴力 うろうろするなどの異常行動につながり、放置すると予後不良な結果となります。

該当してしまった場合は、まずは主治医と相談し、環境調整 睡眠リズムを整えましょう。それにあわせて難治な場合は、レキサルティが有効です。ただし、嚥下困難 歩行障害 過鎮静 傾眠 などが出た場合は主治医と相談して調整しましょう。当院では、介護者のお困り度を判定する「AASC質問票」を用意しており、参考にしています。患者さんの、目つきがかわって上記行動がみられる場合は、ご相談ください。

役割者 左より、岩田智則先生 長田乾先生 永田栄一郎先生 岩田淳先生 西山和利先生 寺山靖夫先生 小生