繁田ハウス(認知症カフェ平塚)
平塚の栄樹庵で繁田ハウスプロジェクトの集まりがありました。繁田雅弘教授(東京慈恵医大精神科)と内門大丈先生(湘南いなほクリニック)の運営する繁田ハウスプロジェクトの初会合です。栄樹庵は、繁田教授のご実家を改造し、お母さまがお茶をふるまってくれる平塚の認知症カフェです。
左の写真は、教授のご先祖様の前での一枚。繁田教授、内門先生、稲田さん(鎌倉の認知症カフェ・デイサービス経営)、たちばないさぎさん(漫画家)と一緒に。右の写真では、教授と内門先生の対談や思いをみなで伺っています。東京・神奈川の認知症に携わる事業所やコメディカル、患者さんご家族など多く集まっていました。印象深かったお話をいくつか。
アルツハイマー型認知症の患者さんと普通の人が映画を見たときにどう感じるかを比較した試験があるそうです。結果、感性に差がないようです。その後時間とともに内容を忘れていくようではありますが、リアルタイムでの理解や感情は健常なのです。
アルツハイマー型認知症では、同じ質問を繰り返す症状がよくみられます。繁田教授は30回は答え続けるようです。ただ、不安から質問を繰り返すことが多いので、安心させる工夫も併せておこなうとのことでした。
初回にもの忘れ外来に訪れる場合、「認知症になったかもしれない」という不安・自信喪失が症状を悪くしていることがしばしばあります。当たり前にやっていた料理などの日課においても、「誤っているかもしれない」という負の感情がつきまとい、自信が失われているケースがあります。たとえ認知症であっても、ある日突然悪くなるはずもなく、まずはたいしたことではないことを認識してもらうことが大事で、それを理解すると改善するケースも多いです。また、数独やパズルなど新しいことに手を付ける前に、今までの生活リズムにヒントを探すことが重要です。まずは、「今まで行っていた日課をこなすように戻すこと」を目標にかかげたほうがベターです。