TOPへTOPへ

ブログ

脳動脈瘤

ブログ

脳動脈瘤は、脳の動脈にできた瘤状のふくらみで、破裂するとくも膜下出血になります。くも膜下出血はどのくらいの脅威なのでしょうか?顕微鏡手術や血管内治療が発展している昨今でも、予後は20年前とあまり変わっていないようです。概ね、1/3が死亡 1/3が後遺障害 1/3がもとの生活に復帰となります。

では、脳動脈瘤が見つかったら治療をすぐに行う必要があるのでしょうか?

脳動脈瘤の破裂率は年間1%未満と見積もられております。私の経験でも、未破裂脳動脈瘤でフォロー中の方が、くも膜下出血で倒れることは稀ですが、ゼロではありません。ガイドラインでは、5mm以上の大きさで75歳未満の方は治療を受けたほうがよいとされています。

ほか、参考すべき点として、瘤の場所です。特に、前交通動脈は破裂しやすい場所です。ここにできた場合は、3mm程度でも手術を勧める術者は多いです。また、血のつながっている方にくも膜下出血がいる方、複数の瘤を有する場合、喫煙している方、血圧の高い方は、注意が必要です。

瘤をとりまく問題として、MRIで瘤が見つかると、いつ破裂するかもしれない爆弾を抱えたような気持ちになり、日常生活に支障がでる場合があります。また、手術をしたほうがよいか経過観察でよいかのグレーゾーンに該当した場合は、選択決断はかなり迷うことになります。

瘤でお悩みの場合は、画像を持参して相談いただけますと幸いです。一意見として、参考になればと思います。