2021ごあいさつ
あけましておめでとうございます。昨年は当院をご利用いただきありがとうございました。新年は、コロナ情勢が不透明なスタートとなりました。患者さんにできることを丁寧に拾って、少しでもプラス転換できるきっかけを作っていければと思います。引き続き「与楽抜苦」に徹してまいります。
コロナ対策として、当院で継続診療している患者さんは、再診でお変わりなしの場合は受付で諸事確認後に処方箋をお渡しします。また、初診や変化があってMRI検査が必要と判断される場合、検査までの待機時間は、おおよその戻り時間をお伝えして外出も可能としています。検査のない再診の場合でも、受付エントリー後に同様の対応をしています。診療所内の密を避けることを目的としておりますが、待合室内や共用部廊下での待機も問題ありません。なるべく会話は避け、少人数でお願いします。
昨年末に頭痛学会主催のオンライン勉強会がありました。頭痛に関連する最近の情報がアップデートできましたのでいくつか紹介します。
新型コロナCOVID19による頭痛:COVID19は、発熱と咳に加え嗅覚味覚障害が特徴ですが、急激に発症して持続性になるいつもより重めの頭痛も併発する可能性が報告されています。髄膜炎や脳炎に至った症例も報告されています。従来の全身性感染症による頭痛(ICHD3 9.1)と異なる特徴があるかは、まだ不明確と思います。ちなみにイブプロフェンによるCOVID19症状増悪の科学的根拠は今のところありません。
マスク頭痛:マスク着用により呼気中の二酸化炭素を吸い込むため、血液中の二酸化炭素が増えます。高炭酸ガス血症による頭痛(ICHD 10.1)は頭全体の鈍い頭痛です。加えて当院外来での印象ですが、マスクの耳に掛ける紐や頭部顔面の圧迫で頭痛が増えている方がいます(頭蓋外からの圧迫による頭痛ICHD3 4.6.1)。マスク着用に工夫が必要です。
片頭痛の新しい治療の可能性:近いうちに抗CGRPモノクローナル抗体の自己注射による新たな片頭痛治療が期待されています。