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アジョビ(フレマネズマブ)Up to Date

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大塚製薬主催 横浜脳神経外科研究会後援で、Headache Seminarが開催されました。頭痛診療において、昨年登場した抗CGRP関連製剤3剤の勉強会が多く、頭痛のアップが多くなっております。北久里浜脳神経外科院長の山下晃平先生オープニング、横浜市立大学脳神経外科教授 山本哲哉先生 総合司会、湘南鎌倉総合病院脳神経外科主任部長 権藤学司先生 クロージングで、アジョビ(フレマネズマブ)の実臨床における情報交換を行いました。

前座として、小生の方から「実臨床における頭痛診療のコツ~アジョビの使用経験も踏まえ~」と題して、当院で注意している診療や、経験した報告に関してお話させていただきました。片頭痛の年間有病率は8.4%といわれ、単純計算では横浜市には推定30万人の片頭痛患者がいると考えられます。当院では、開院5.5年目で、約5-6千人の片頭痛診断をうけた患者さんを拝見しております。多くはセルフケアですが、従来予防薬で定期通院の患者さんがいらっしゃいます。全体の2%の124例に、抗CGRP関連製剤を使用している現状です。高頻度反復性片頭痛や慢性片頭痛の患者さんは、1回でも大きく支障度が改善し、2回3回と重ねるうちにさらに改善が得られる傾向がみられました(下図)。続いて、3人の頭痛診療の専門家に、各テーマでパネルディスカッションをいただきました。

まず、脳外科頭痛専門医 堀田和子先生から、「誰にどのように紹介している」のご意見をいただけました。湘南鎌倉病院に頭痛サロンを形成し、ゆっくりコミュニケーションをするスタイルです。片頭痛の発作が5-10回の幅で、アジョビを提案しているとのことです。間中先生に手ほどきをうけており、アジョビによりcrystalclearの日常へ導いておられます。

続いて、小生の脳外クリニックの恩師であるたぐち脳神経クリニック院長 田口博基先生より、「いつまでうつの?」に関して、論文からひも解いていただきました。3-6か月は改善底をみるために継続したほうがよい。他剤へのスイッチ・期間延長・スポット使用もあり。中断して再増悪しても、再開でよくなるようです。また、コロナワクチン・感染や、気候変動に敏感なケースは、治療をうけていても増悪するようです。

最後に、同門先輩である、金沢文庫のこじま内科・脳神経外科クリニック院長 小嶋康弘先生より、「3剤あるけと何使う?」のご意見を伺いました。アジョビ・エムガルティを1stで使い、痛みや効果がいまいちな場合、アイモビーグへスイッチしているようです。アイモビーグはやはり痛くないのがポイントです。またクリニックでは、診療単価上昇が迫っており、在宅自己注射への移行もされているとのことです。super responder(ほぼ消失する症例)のケースも1年程度をめどに漸減しているとのことでした。

(会終了時の記念撮影 右より、山下先生 山本先生 堀田先生 私 小嶋先生 権藤先生 田口先生 ):oppo

最後に、小生の今回のスライドを提示します。参考にしていただけたら幸いです。(上段)アジョビ接種後のHIT6変化量(箱ひげ図)3回目までブースター効果がある。(中段)頭痛学会HPのE-lerning 頭痛の最新情報の内容が閲覧できます。施設名は、職場や「ほどがや脳神経外科クリニック」として閲覧できます。ご興味あれば是非。(下段)因縁の法則を頭痛診療でみてみました。良縁となる医師であるように努力をしないとと思います。(我慢の楔=間中信也先生の用語で、頭痛があることを常として我慢し続けるburdenを背負っている状態を当たり前とあきらめている状態)

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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