頭痛対策 - 姿勢と体幹筋

頭痛の頻度や重症度が増え、生活支障が大きくなった場合、症状を悪くしている原因が日常生活の中にあることが多いです。頭痛外来でよくみられる増悪因子として、ストレス対処の破綻があります。特に、精神的負荷・長時間同一姿勢(デスクワーク・手作業・運転など)・運動不足が重なっている方に多くみられます。これらは、自律神経のバランスを崩し、頭痛の悪化を引き起こします。姿勢と体幹筋(インナーマッスル)の改善は、自律神経の乱れを抑え、頭痛解消に有効です。

今回、いつもお世話になっている森本先生(新都市脳神経外科病院院長)が監修されている「スキャプラ」を受けてきました。スキャプラでは、Passive(カイロのような術者によるケア)と、Active(ヨガのような自発的なケア)の組み合わせの指導を行っていました。何度か指導をうけることで姿勢や日々のメンテナンスのルーティン化ができれば、頭痛や自律神経の状態がよくなると思いました。私自身は頭痛もちではないのですが、頑固な肩甲骨回りの凝りと痛みでしばしば苦労しています。スキャプラとは肩甲骨の意味で、私にぴったりの内容でした。メンテナンス法を教えていただき、頭痛専門医として医学生理学的にも納得の指導でした。

当院の頭痛外来では、頚椎のチェックを必ず行いますが、ストレートネックの方がとても多いです。その原因に猫背があります。またその原因に反り腰・骨盤の前傾があります。ストレートネックは徐々に後弯し、放置すると将来頚椎症・ヘルニア発症の原因にもなります。普段、これらを有する患者さんには、姿勢の指導を行うようにしておりますが、患者さんがそれをものにするにはルーティン化(習慣化)が必要です。難治性の場合はスキャプラへ何度か通ってもらい、プロのトレーナーからの指導を受けていただきたいと思います。私自身も、身をもって学ぶため通いたいと思います。

文章で総括することは難しいので、まずは個別に診療いたします。お気軽にご相談ください。