スマホと頭痛

頭痛の頻度・重症度を悪化させる因子のひとつに、スマホがあります。特に、頭痛持ちの子供や若い女性において注意が必要です。スマホが及ぼす悪影響は以下のようなものがあります。

ブルーライト:スマホだけではありませんが、モニター画面からはブルーライトという種類の光が出ています。眼球内の硝子体を通過して網膜へ達することで、神経系への負荷をかけるといわれています。フィルムやメガネなどブルーライトカットできるものもあるので、仕事上で使用頻度が高い方は対策が必要です。

スマホ姿勢:頚部前屈と猫背で、長時間同一姿勢で作業すると、僧帽筋を中心とした頚椎後部・上背部の支持筋肉の緊張が強くなり、慢性首肩コリの原因となります。同筋肉群は、自律神経への影響が強く、硬く凝り固まってしまうと副交感神経が弱まり、集中力や作業効率の低下、気分障害の原因となります。長期的にみると、頚椎配列がまっすぐになるストレートネックを助長し、さらに凝りやすくなる悪循環に陥ります。特に猫背にならないように注意し、断続的に休みながら作業することが必要です。

ネット社交:日中は、学校や会社で多くの人と関わります。その中で、様々な形での人間関係の負荷も生じています。社会活動が終了して帰宅すれば、他者との関わりを離れて脳を休める時間となります。しかし、SNSにより、場合によっては深夜におよび社交の場が継続されます。ポジティブな結果であればよいのですが、負担になっている場合は、夜間は通信を切ってほっとすることも必要です。特に、お子さんの頭痛においては、もれなくスマホ依存になっているように感じます。深夜に及ぶ長時間のスマホは、不眠や、朝起きれない、切れやすい、立ち眩みやめまいを伴うなどの、自律神経失調症に至っている頭痛患者さんの環境因子の一つとして注意していく必要があります。