頭痛/不眠と産業医

先週末、都内で産業医の勉強会がありました。日々クリニックの診療時間外に、産業医のお仕事もさせていただいております。産業医は、様々な事業に携わる労働者の健康管理を行います。頭痛・不眠・精神疾患・生活習慣病の予防・治療において、ストレス管理はとても重要です。

当院には、頭痛やめまいなどを主訴に来院される方々が多くいらっしゃいます。原因として、日々の生活スタイルの中にエラーがあることが多く、環境調整や生活指導をしなければなかなか改善しないケースがあります。生活の中でも、仕事環境はとても影響力が大きく、クリニックでも職場へ診断書や指示を出すこともしばしばあります。

過重労働や慢性的な人間関係ストレス、過剰ノルマやプレッシャーなどは、頭痛・めまい・不眠・注意障害(仕事でのケアレスミス)さらには、体の痛み・疲れがとれない、究極的には「もうだめだ」という破局思考の原因となります。月1回だった片頭痛が毎日のように起こる、朝起きるとすでに頭痛がひどく動けないなどの頭痛増悪時、普段経験しないようなめまい・ふらつきがあるなど。もちろん脳卒中などは落とせない原因です。ただよく伺うと、「実は寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」という睡眠障害を抱えていることがしばしばあります。頭痛・めまい・集中困難・だるさなどの不定愁訴は、睡眠がしっかり取れれば改善が期待できます。つまり、日中の枝葉の症状は、「まずしっかりした睡眠の確保」をクリアしたうえで対応することが合理的です。睡眠負債という言葉がありますが、毎日の疲労はその日のうちに解消できる生活スタイルを確保することが、長く安定した仕事をするうえで大切です。