見逃してはならない怖い頭痛

動けないほどひどい頭痛や、意識障害・麻痺などがある頭痛は、明らかに脳に何か起こったと判断することは容易です。しかし、一次性頭痛と判別困難な程度の軽めの頭痛で、MRIで分かる二次性頭痛がいくつかあります。

当院でしばしば診断されるものの中に、可逆性脳血管攣縮症候群RCVS(写真左)と、椎骨動脈解離性動脈瘤(写真右)があります。これらは、症状が比較的軽微であったり、神経症状がでないので、診断が遅れることがありますが、一定の確率で本格的な脳卒中を合併します。

(写真左)可逆性脳血管攣縮症候群RCVSの代表的MRI画像です。トイレ・運動・精神的な興奮・シャワー・入浴・いきみ動作などでスイッチが入る雷鳴頭痛を繰り返します。雷鳴頭痛とは、1分以内に極大になる重度の痛みです。片頭痛も重度になりますが、自覚して1分以内で極大にはならないので、判別可能です。雷鳴頭痛で注意すべき鑑別診断は、動脈瘤破裂によるくも膜下出血です。一方、RCVSは発症初回では脳MRIは正常ですが、2週間ほどすると写真のように脳血管に攣縮がみられるようになります。場合によっては、出血や梗塞を併発しています。写真の症例は重度の攣縮があるため、入院しました。

(写真右)椎骨動脈解離性動脈瘤の代表的MRI画像です。右後頭部の痛みがあり、軽かったため様子をみていたようですが、改善しないため来院されました。痛みと同側である右椎骨動脈に血管のふくらみと狭窄があります。痛みは比較的鎮痛剤で改善しますので、「緊張型頭痛ですね」で自然に治っている場合もあります。しかし、頸を大きく動かしたり、血圧が高いと解離が進行し、くも膜下出血や延髄梗塞を併発します。頸コリが治らないから整体で首回すというパターンには注意が必要です。

これらは、比較的見逃されがちな怖い頭痛の例です。