常に一流を目指して

新都市脳神経外科病院院長、森本将史先生と連携会がありました。森本先生率いる新都市脳神経外科病院は、脳卒中治療件数神奈川県1位です(全国9位)。私が医局長のとき、森本先生が京都大学から新都市に赴任し、横浜市大の関連施設として学会に登録しました。手術とカテーテル、両刀を目指す脳卒中外科医の注目を集めています。

脳卒中急性期医療において、心房細動による脳塞栓や、脳動脈の急性閉塞は、大きな後遺症を残す点から、できるだけ被害を小さくしたいところです。tPAは「魔法の薬」として脳卒中救急で重要な位置を占めますが、再開通率は思いのほか低いのが現状です。またembolectomyという直接開頭して血栓を取りに行くのも、工程数が多く侵襲もあります。そういう観点から、カテーテルで直接血栓を回収に行くほうが、低侵襲でスピーディーといえます。当院から新都市は救急車では30分以内で行けます。また、血栓回収は発症から8時間くらいまでは効果が期待できますので、適応症例があれば、是非相談したいと思います。

ほかにも森本先生のお話で、感銘を受けたのは、常に一流を目指し続ける、世界を意識するという心構えです。横浜市大で指導いただいた故 川原信隆教授も同じ意識をもっていました。私のような愚輩には到底ない意識ですが、横浜の中心に近いところで開業している身として、目指していきたい姿勢です。森本先生は、京大時代、夏はラグビー冬はアルペンスキー部で奮闘していたと伺い、私とまったく一緒の選択だということも驚きました。密な連携をして、患者さん第一を胸に、質の高い医療を提供していきたいと思いました。