自分の脳

購入したMRIで、自分の脳を撮影しました。たくさんの方々の脳のMRIを見てきましたが、自分の脳を撮影し、読影するのは、とても緊張しました。通常の脳ドックシリーズを考えていましたが、臆してしまい、脳はT2*(T2スター)のみ、あとは、頚椎と腰椎を撮影しました。結果、動脈瘤や腫瘍などはなく、脳萎縮やかくれ脳梗塞、微小出血などもなく、安心しました。頸動脈エコーも自分で行い、頸動脈プラークや動脈硬化がないことを確認しました。学生時代ラグビー部で受傷した、眼窩吹き抜け骨折がどうなっているか心配でしたが、副鼻腔や眼窩も問題ありませんでした。これで、当面は仕事ができると思います。
何気ない行動でしたが、検査を受ける方々の気持ちを体験したような気がします。病変があっても、ショックを与えないよう配慮して、説明をしたいと思います。

こどもの頭痛

頭痛外来を開設して、お子様の頭痛(20歳未満)の来院も増えてきました。

一般的に、子供の頭痛の場合、大きな仕訳として以下のものがあります。不明な場合は、ご相談ください。

・子供の頭痛の原因として多いのは、感染症と頭部外傷です。感染症は、髄膜炎を併発するリスクもあり、まぶしい・吐いてしまう・首の後ろが痛いなどの場合は、受診してください。また、副鼻腔炎(蓄膿症)が原因となることもあります。頭部外傷は、意識障害を伴わないような軽い打撲などのほうが頻度が高いです。ぶつけてしばらく大丈夫だったけれど、数日たってから痛くなるというのが多いと思います。

・徐々に増悪する頭痛の場合は、器質的疾患を除外する必要があります。例えば、脳腫瘍・脳動静脈奇形・血管腫・もやもや病などです。MRIでいずれも判別できます。治療が必要となることが多いですが、各疾患の治療法は熟達した知識・技術が必要です。該当してしまった場合、それぞれのエキスパート医師を紹介します。

・上のものに該当しない場合、2つの頭痛が多いと思います。ひとつは、片頭痛。お母さんや兄弟にも発作性の頭痛が認められる場合、片頭痛で間違いないと思います。生理がはじまる頃くらいに、症状が出現してきます。生理痛と思われ放置され、患児が我慢している場合があります。ひどく痛がるので、学校で何かストレスがあるのではないかと短絡的に結論付けられる場合があり、注意が必要です。一方、慢性緊張型頭痛の患児は、メンタル的アプローチが必要です。朝起きられない、夜中までスマホやゲームをしている、連日性に頭痛があり、しばしば学校を休む。昼になると調子が良くなって学校にいけるなどが特徴です。また、起立性調節障害や不眠などの自律神経の異常を伴うことが多く、早めのしっかりした対応が必要になります。

・最後に、親御さんが片頭痛もちの場合、お子様の頭痛ではなく、反復性嘔吐や腹痛で始まる場合もあります。胃腸炎もしくは異常がない、ストレス反応などの診断で、行き詰っている場面にもよく遭遇します。これは、片頭痛と同じメカニズムが腹部におこっていると考えられており、migraine equivalentとよばれています。ほかにも、発作性めまいなど、頭痛とは関係ない症状が、根源で同一メカニズムから発生している場合があります。

横浜市立大学グループ連携の会

横浜市立大学の脳神経外科・精神科の先生方と勉強・連携の会がありました。当院の役割と、病院における先端治療の役割を明確にして連携することで、医師の負担を軽減し、患者さんにも効率の良い医療が提供できると考えます。患者さんの身近な脳のかかりつけ医からのエキスパートへの橋渡し(脳のコンシェルジュ業務)がスムーズに行われることが、重要であると感じました。

湘南鎌倉総合病院副院長 脳神経外科部長 権藤先生(右)

市大センター病院 脳神経外科部長(准教授) 坂田先生(奥)

国立病院機構横浜医療センター 脳神経外科部長 宮原先生(左奥)

横須賀市民病院精神科科長 磯島先生(左手前)

慈恵医大脳神経外科医との情報交換会

慈恵医大の主力医師、スタミナの塊:郭樟吾先生(左)と、イケメン二刀流血管外科医:西村健吾先生(右)と、脳卒中連携につき、議論を交わしました。

横浜周辺の脳血管治療(カテーテル治療)の拡充・連携について、よいアイデアをいただきました。慈恵医大の村山教授は、日本を代表するカテーテル治療医であり、その後継者として育っているお二人の今後の活躍に期待したいと思います。