タリージェとエムガルティ

横浜市保土ヶ谷区医師会 第一三共株式会社 共催で、「痛みを克服するためのWeb Seminar」がありました。

前半は、聖隷横浜病院 脳血管内治療科部長 兼 脳神経血管・高次脳機能センター長 佐々木亮先生 座長のもと、日暮のほうから、「脳神経外科医がお伝えしたい頭痛外来の現状」として、頭痛外来の流れ、片頭痛による経済損失・労働生産性低下への影響についてお話しました。また、2020年の論文から、状態がわるいのに受診しない片頭痛が多いこと、全国的に予防薬概念の低さについてお話しました。2021年に、エムガルティが発売されると同時に、大きく片頭痛に関しての啓発が行われたので、最近はどのくらい改善されているのか期待されます。

後半は、古川医院 院長 古川誠一先生(保土ヶ谷区医師会理事 学術担当)座長のもと、横浜市立市民病院脳神経内科部長 山口滋紀先生から、「日常診療における頑固な痛みへのマネジメント」としてご講演いただきました。山口先生には、パーキンソン病・不随意運動・末梢神経障害・高次脳機能障害など判断に苦慮した症例を相談しております。頑固な痛みに関しても同様です。タリージェは三叉神経痛や末梢神経障害・脳卒中後疼痛など幅広く使えることがわかりました。

記念撮影:左より、佐々木先生 山口先生 古川先生 私

レイボーのトリセツ

日本イーライリリー株式会社主催、「レイボー Update Seminar in 神奈川」がありました。今回は、えびな脳神経クリニック 院長 岩田智則先生より、「片頭痛診療の最前線~新規治療薬レイボーの登場」と題して、ご講演いただきました。日暮は、座長とディスカッションのfacilitatorを担当させていただきました。コメンテーターとして、頭痛診療エキスパートである、たぐち脳神経クリニック 院長 田口博基先生と、湘南鎌倉総合病院 脳神経外科 医長 堀田和子先生にご参加いただきました。

レイボーは、頭痛市販薬やトリプタン製剤と同様、痛いときに飲む痛み止めの最新版です。参会者で共有共感された現時点でのコンセンサスは以下の通りです。ご興味がある方は、気軽にご相談ください。

●推奨される方:現行の痛み止めではスッキリ痛みの芯が取れない方 最後の砦としてイミグラン注射や点鼻に抵抗がある方 脳梗塞や心筋梗塞などの血管閉塞リスクのある方 高血圧や動脈硬化がある方

●始め方:初回使用時は、50mg錠から、休日・眠前・頭痛で寝こむ前などに内服を開始。眠気などの副作用が気にならない方で、物足りない方は50mg錠2錠を経てから100mgへ移行。

片頭痛の患者さんは、発作中は特に感覚過敏になります(めまい・眠い・だるい・羞明など)。レイボーは脳への移行率が高いため、除痛効果は抜群なのですが、50mgでも昼の仕事中などに内服すると数時間ねむけなどがでる場合があります。副作用は服用を慎重に重ねることにより軽減されます。いずれも片頭痛治療を専門に扱っている医師に尋ねてみてください。丁寧に説明くださりますよ(^^♪

脳卒中と高血圧を考える会

大塚製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社共催で、「脳卒中と高血圧を考える会」がありました。今回は、日暮のかかわりの深いよく医療連携や経営交流をする先生方で集まりました。 

講演①では、脳神経外科東横浜病院 郭彰吾先生 座長のもと、子安脳神経外科クリニック 子安英樹先生より、「当院におけるエンレスト使用経験」と題して、貴重な60症例の経過報告をいただきました。高血圧は、新規・再発ともに脳卒中(脳出血・脳梗塞)の代表的危険因子です。エンレストは、2種類の降圧薬の合剤であり、Na利尿ペプチドの分解抑制が含まれますので、塩分接種が過剰になりがちな日本人において、良い薬となっていくと考えられます。また、たくさんの薬を飲んでいる患者さん(ポリファーマシー)は問題ですので、その整理の一端としてエンレストの活用例も紹介いただきました。日暮も血圧管理をより繊細に行わなければとご教授いただきました。

講演②では、日本の血管内治療のトップリーダーある横浜市立市民病院 脳血管内治療科 増尾修先生 座長のもと、横浜市立大学附属病院 脳神経外科 清水講師から、「脳血管内治療の最前線ーどんなことができるのか?」と題して大学での血管内治療を駆使した高難度疾患の症例シリーズを伺いました。内容は、巨大動脈瘤・硬膜AVF・AVM・巨大髄膜腫術前塞栓に及び、日暮の知らない細かい血管の名前まで明解に紹介しながら、日進月歩のデバイスを駆使して、難問にチャレンジしている実績、横市脳外の脳卒中部門の成長に感銘を受けました。脳卒中治療前後はもちろんのこと、新規・再発ともに脳卒中予防において、エンレストに期待する部分は大きいと考えます。

第37回 白馬脳神経外科セミナー

第37回 白馬脳神経外科セミナーがありました。全国各地の熱い脳外科医が雪山に籠り、寝食を共にしながら、スキーで勝負し、演題を出し合い議論し、深夜まで暖炉を囲んで懇親を深める、普段の学会では類をみないおもしろい学会です。大学時代はよく参加してましたが、開業してからはご無沙汰しておりました。今回は、平素より大変お世話になっている兄貴分   横浜新都市脳神経外科病院 院長 森本将史先生が会長をされるとのことで、フル参加させていただきました(この間、当院の患者さん、代診をしていただいた先生方に深謝いたします)。

今回は、「熱かったこと3選」で紹介させていただきます。長文、写真多め、内容は脳外科業界寄りとなります。

熱① マジレース:アルペンスキー部上がり脳外科医が多く25旗門程度のGSセットで2回平均です。12位でしたが、久しぶりのコースで、DNFにならずほっとしました。(下:大会長と1本目前に)

熱② 重鎮からの心に刺さる講演:全国各地から楽しい発表を拝聴いたしました。特に、信州大学名誉教授からの講演は心に刺さりました。脳外科教育において、知識・技術などがクローズアップされがちですが、本スライドが示す通り、それ相応の人徳(思いやりの心)の育成が大事です。医学に関わらず昨今の教育現場ではあまり重視されていないケースが多い印象です。配慮する必要がありますが、煩悩と徳は年齢とともに大化けは望めないものの正しい実行をしていくことで脳内で徳心が育まれる可能性があると感じています。

熱③ 重鎮脳外科医・オピニオンリーダー的脳外科医密度が濃い:

藤田保健衛生大学 名誉教授 佐野公俊先生:開頭クリッピング術件数におけるギネス記録保持者で、「世界の佐野」です。日暮がオーストラリア留学する際に、Macquarie大学のAVM名手Michel Morgan先生と、NSW大学の鍵穴手術名人Charlie Teo先生へのレターを、佐野先生が書いていただいたことで、充実した活動ができました。川崎の新川橋にもいらっしゃり、引き続きご教授いただきます。

信州大学・京都大学・東京大学系の先生方と:右下の信州大学名誉教授 本郷一博先生は、白馬常連(そもそも白馬セミナー自体信州大学の杉田先生から)。私も何かと定期でお会いしている先生で、とても温厚で癒されます。

埼玉医科大学脳外科チーム(川越・国際):右上の吉川先生は、弘前大学出身でスキーもライバルで、もと横浜市立大学で一緒に手術をした後輩です。埼玉も常連で強い。

森本会長と英賢一郎先生と。英先生は、福島孝徳先生よりMVD技術を伝授された、西宮の脳外科部長です。実は以前、奄美大島の名瀬徳洲会の切り盛りを共にしていたことがわかり、不思議なご縁だなあと感じました。

ロッジの暖炉部屋で集合写真

森本先生は人と人をつなぐ天才(強いパイオニア+柔軟なカタリスト)と思います。人は宝であり、今回も多くの熱い脳外科医と人脈ができました。明日からの診療への活力をいただきました。

脳神経外科医も片頭痛を診ていこう!

頭痛学会・アムジェン株式会社主催の、Headache Lecture for Neurosurgeonsがありました。脳神経外科医が頭痛診療をする際のテーマで、大学の山本哲哉教授座長でした。shrot lectureとして、以前当院代診にもきていただいていた清水信行講師のアイモビーグ10症例経験および椎骨動脈解離の血管内治療につきご講演、片頭痛診療へのお考えを拝聴いたしました。4月より大学を離れ、当院おとなりの東戸塚脳神経外科クリニックへ異動されますので、ますます片頭痛とお付き合いすることとなると考えます。freshかつ洗練された講演でした。

後半は、脳神経外科x頭痛診療でも大変ご高名な、前山口大学脳神経外科教授(現在は間中病院で診療に当たれております)鈴木倫保先生の講演を拝聴しました。脳神経外科医が抑えておくべき一次性頭痛や、MRIをスルーした二次性頭痛への注意など喚起いただきました。前兆をもつ片頭痛のかたが経験される閃輝暗点時の脳の経時的変化の動画など貴重でした。また、外傷後に片頭痛もちになるメカニズムなどもご教示いただきました。

Webメインでしたが、日暮も現場でアイモビーグの売りなどコメントする機会をいだきました。その後、情報交換会で、みなさまの頭痛経験やこれからの頭痛診療の在り方などにつきお話いたしました。(鈴木先生を囲んで記念撮影)

認知症診療の落とし穴「正常圧水頭症」

日本認知症予防学会 神奈川県支部 第12回学術集会がありました。今回は、誠心会理事長 佐伯隆史先生(あさひの丘病院・神奈川病院など)と座長を担当しました。

講演1では、認知症患者の食事に関するケア、注意点などを、大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 准教授 野原幹司先生より、ご講演いただきました。野原先生は同領域ではご高名な先生で、多数の著書もあります。お名前で検索すると、認知症口腔ケア・食事ケアのノウハウ本がたくさんでます。ケアをしている家族やコメディカルは要チェックです。

講演2では、当院にも代診にきていただいている、横浜市立大学付属市大センター病院 脳神経外科 助教 高木良介先生より、正常圧水頭症についてご講義いただきました。余談ですが、高木先生のお父様は、安孫子聖仁会病院 正常圧水頭症センター長 高木清先生で、同領域では日本のトップリーダーで、多数の著書もあります。良介先生は、正常圧水頭症への熱意やノウハウは同世代では群を抜いていますので、貴重な機会でした。

いただいたスライドを提示します。年をとると、上記の症状がよくみられます。中には、正常圧水頭症が原因となっているケースもあり、いわゆる「治る認知症」といわれております。「治る歩行障害・尿失禁」とも言えます。日暮も日々多くのご高齢者・認知症患者さんを拝見しておりますが、正常圧水頭症が絡んでいるかどうか、治療で改善するかどうかの判断はとても難しいと考えており、高木先生にサポートしてもらっている次第です。

講演会の後半では、横浜市立大学の正常圧水頭症診療に尽力され、日本のトップリーダーとなっている先生方にも加わっていただけました。以下、今回参会してくださった正常圧水頭症をしっかり見てくれる信頼できる先生・施設一覧を掲示します。是非ご参考ください。とにかく、だれでもみれる疾患ではないので、おすすめです。

今回の会は現地・ズームハイブリッドでおこないました。現地は、慈恵会医科大学付属病院 精神医学講座 主任教授 繁田雅弘先生のご実家をケア施設に改装した平塚の栄樹庵からおこないました。繁田先生のご先祖様の前で。左から、佐伯先生 高木先生 日暮 内門大丈先生(メモリーケアクリニック湘南 理事長 本支部の支部長)と。

脳神経機能外科とは~パーキンソン病・難治性痛み

第一三共株式会社主催、臨床に役立つ脳神経機能外科WEB SEMINARがありました。横浜市立大学市民総合医療センター 脳神経外科 部長 坂田勝巳先生からのはからいで、テレビやyotuberとしてもおなじみの「痛み」の大家である横浜市立大学附属市民総合医療センター ペインクリニック内科 診療部長 北原雅樹先生の座長という貴重な経験をさせていただきました。

オープニングは、横浜市立うわまち病院 脳神経外科 第二科長 東島威史先生でした(One of HC)。以前当院代診もされており、センター病院のDBS機能外科を担当されておりました。

講演1は、パーキンソン病に対するDBS機能外科について、木村活生先生に最新のパーキンソン病治療に関してご講演いただきました(木村先生は同領域においては神奈川県ナンバーワンと思います)。座長はまたまたすばらしい方で、長く国立病院横浜医療センター 脳神経内科 部長を務められ、頭痛専門医として頭痛外来に注力しておられる高橋竜哉先生でした。内容は高度すぎて日暮には難解でした。生活支障度に応じて治療目標を設定し、凝固・刺激・バクロフェンなどで薬剤抵抗性パーキンソン病の治療をされております。「とにかくパーキンソンは木村先生にお任せしよう(^^)/」と思いました。

講演2は、北原先生より痛みのレクチャーをいただきました。痛みの原因が、脳・脊髄・末梢神経・筋骨格の病変で発生しますが、超高難易度な患者さんが北原先生のところに集まってきます。頭痛・リウマチ・線維筋痛症・腰痛。。。。日暮からも過去数件紹介を試みましたが、予約が1年先までいっぱいでなかなか救われない方もいらっしゃいました。今回を機に、「何卒お早めに~<m(__)m>」と嘆願いたしました。治療は、非薬物療法(鍼灸や認知行動療法)から薬物(抗てんかん薬・タリージェなどの神経障害性疼痛の薬・抗うつ薬がメインになります。痛みだからロキソニンなどの鎮痛薬かと思いきや、登場しません。当院頭痛外来でも頭痛に対しては、頓用で低頻度で使う程度です。

最後に、記念撮影(^^♪

Youtuber 北原雅樹先生 として、以下のURLを紹介いたします。

慢性の痛み講座 北原先生の痛み塾 – YouTube

第33回NPネットワーク

NPネットワーク研究会と第一三共株式会社共催で、第33回NPネットワーク研究会がありました。NPとは、Neuro-が単語につく場合、脳神経という意味で、脳神経内科 脳神経外科 神経放射線 などが該当します。一方、Psycho-が単語につく場合は、精神科 心療内科などが該当します。本会は、脳の専門家が集って、専門領域を超えて情報交換する会です。この伝統ある33回目で、当院での頭痛診療についてお話する機会をいただきました。

前半は、日本の認知症診療の総本山のひとつである、国立長寿医療研究センターの島田先生より、「Active Life Styleの獲得によるフレイル・認知症予防について」を拝聴されていただきました。老いるにつれ、老病死に関わる課題がふえていきます。フレイルとは、活動性低下→筋力低下→廃用性筋委縮→活動性低下という負のスパイラルで誰しも直面します。運動・家事・社交・脳トレなどの日課をルーチンとして組み立て維持することが大切と学びました。これらは筋力のみならず脳血流や認知機能の維持とも表裏一体ですので、個々人のオーダーメイドのスタイルを一緒に考えていきたいと思いました。

島田先生はズーム参加で、左から、内門大丈先生 私 馬場康彦先生との現場写真をいだたきました。私の方からは、当ブログでも多く紹介している内容を紹介いたしました。精神科の先生方の参加が多い会ですので、片頭痛予防注射薬エムガルティを使うことで、片頭痛の頻度重症度が低減するのみならず、不安・抑うつも軽減する傾向がある論文を紹介させていただきました。(下図:3つあるコラムの右の上段が3か月と6か月のエムガルティ継続で不安スケールが減少 下段が3か月と6月のエムガルティ継続で抑うつスケールが改善していることが示されています)

エムガルティup date+「我慢の楔」を解放する

日本イーライリリー株式会社主催、「Emgality Team medical care conference in Kanagawa」がありました。前半は、間中病院 名誉院長 間中信也先生より、「片頭痛患者さんを我慢の楔から解放できるか?」と題してご講演いただきました。後半は、のげ内科・脳神経内科クリニック 院長 渡邊耕介先生より、看護師セッションと在宅自己注射導入に関する議論がありました。

間中先生の頭痛に対する探求心にはいつも感銘を受けており、今回も新しいスライドと大切な啓発をご教示いただきました。エムガルティは副作用がなく有効率90%におよぶ稀に見る名薬剤であると思います。我慢癖の方は、頭痛慢性化しやすく、brain fog → crystal clearの体験はすべきであると共感しました。PAG(中脳水道周囲灰白質)の鉄沈着が頭痛の慢性化(片頭痛の難治化)に影響するエビデンスが示されました。この器質的変化が発生してしまうと不可逆(元に戻らない)となってしまうので、死ぬまで片頭痛と付き合う人生となってしまう可能性があります。(以下、間中先生より拝受)
ゲスト参加いただいた、国立病院機構横浜医療センター 脳神経内科 部長 上木英人先生からもご質問いただきました。
「18未満へのCGRP投与」:18歳から安全性確認されている薬剤であるが、より若年でも恩恵が得られる可能性がある場合は十分なムンテラと症状詳記をして使用することも選択となると考える。
混合型について」:以前汎用された用語で、緊張型頭痛+片頭痛があると判断された場合に診断された用語。現在はシームレスで、エムガルティで緊張型頭痛と思っていた頭痛も消えるケースもある。
片頭痛が常態化(慢性化)すると、自律神経失調になるエビデンスも増えてきています。また、エムガルティなどのCGRP製剤で、メンタルクリニック処方が軽減されるケースも散見されます。(以下、間中先生より拝受)
後半Discussion(渡邊耕介先生):
【CGRP導入について】
間中病院 看護師 中村さん講演:
・Nudge(より良い選択を自発的に取れるよう手助けする)の姿勢が大切
・HIT-6 60点を境目に、
 60点以下→うまくお薬でコントロールできているようですね!
 60点以上→日常生活に支障が出ているようですね→CGRP推奨されるため「しゃべる絵本」を見ることから触れてもらう
間中先生:
確かに特に若い患者さんだと、高薬価を理由に断るケースが多いが、「このお薬は本当によく効くから、1回試してごらん。半年、3回でも辞められるからと励ます。」
渡邊先生:
HIT-6はクリニックで活用しているが、私の前で書いてもらっているため、患者さんが本音で答えられていないのかもと感じた。看護師さんと一緒に書いてもらうことで、もっと患者さんが素直に応えてくれるかもと感じた。
【在宅自己注射について】
渡邊先生:
クリニック側のメリットとしては、CGRP製剤の在庫を減らせる(保冷庫の場所をとるため)。デメリットとしては、指導に時間が取られる(だいたい、自己注射の指導に15分、キットの説明で10分くらい)
患者さん側のメリットとしては、受診回数を減らせる。デメリットとしては、自己注射に対する恐怖感が強く、まだ打てない人が多いのが現状です
【自己注射導入のコツ】
聖マリアンナ医科大学 内科学(脳神経内科)教授 秋山久尚先生:
患者さんをの自己注射をうまくできていることを積極的に褒めて自信をつけてもらう。デモ機で練習をしている時から、「すごく上手に出来ていますよ!」「出来ますね!」と声をかける。
日暮:
自己注射に対しての恐怖心を取り除くのは簡単なことではないが、付加給付の制度などを紹介しながら、患者さんへのメリットを理解してもらうように根気強く提案することが大切。最後に、記念撮影。左から、秋山先生 間中先生 上木先生 渡邊先生 私(議論中は間仕切り/マスク/距離をしております)

薬局・ドラッグストアは最もMOHを発見しやすい場所

保土ヶ谷薬業会/アムジェン共催の勉強会がありました。担当薬局が、開業からお世話になっている加藤薬局で、現地+WEBハイブリッドだったので楽しくお話できました。薬剤師の先生方への講演は初めてですが、薬物乱用頭痛MOH(薬剤使用過多による頭痛)を併発しているような頭痛難民(適切な頭痛診療が必要であるが気づいてない/縁がない人)をもっとも発見しやすい立ち位置にあると感じています。啓発含め、いくつかスライド提示いたします。

頭痛の状態が悪い(=支障度が高い)と、本来のパフォーマンスでできる仕事量と質が低下し、労働生産性が低下していることが示されています。

海外(EUR)データですが、月8日を越えた先の労働生産性が大きく低下していることがわかります。転職・休職が必要となってしまう場合や、定時までなんとか仕事をできたとしても集中困難で生産性が大きく低下し、ひどくなった頭痛がおまけで帰宅についてきます。重度になると、新規チャレンジや困難に対する精神的レジリエンスが低下して、ダウンしてしまいます。

社会において、処方箋薬局やドラッグストアは、いつも市販薬を大量購入する人・医師から多量のNSAIDSを処方され続けている人などに触れる機会が多いと考えられます。疑ったら是非頭痛外来受診を勧めていただけたらと思います。ひいては、低下し続ける日本経済の底上げにもつながるのではないでしょうか(^_-)-☆