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レビー小体型認知症

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症とは、脳の神経細胞にレビー小体というたんぱく質の塊ができることで、神経細胞の機能が下がって発症する認知症です。レビー小体型認知症になると、認知機能が良いときと悪いときが波のように変化しながら、記憶力や理解力などの認知機能が徐々に低下していく症状が現れます。また、初期では認知機能の低下がわかりにくいことや、抑うつ状態もあるため、認知症であると思われないことがあります。レビー小体型認知症は、「三大認知症」の1つであり、アルツハイマー型認知症や血管性認知症に次いで3番目に多い認知症です。


レビー小体型認知症の原因

レビー小体型認知症の原因は、脳の神経細胞内にあるαシヌクレインというたんぱく質が塊をつくって、レビー小体という物質が大脳皮質に溜まることで、脳の神経細胞が徐々に減っていきます。


レビー小体型認知症になりやすい人(年齢)

レビー小体が出現する理由は詳しくはわかっていませんが、現在は脳の年齢的な変化が関係していると考えられており、75~80歳の高齢者に多く見られます。ごくまれに30~40代の若年で発症することもあります。


レビー小体型認知症の症状

認知機能の低下

記憶力や理解力、判断力などの認知機能が低下します。

幻視

幻視とは実際には存在しないものが見えてしまうことです。人や動物など他の人からは見えないものが本人にはありありと見えます。

認知の変動

時間帯や日によって頭がはっきりしているときと、ぼんやりとしているときが入れ替わります。

抑うつ症状

気分の落ち込みや悲観的になる、意欲が低下するなどの抑うつ症状が現れます。

パーキンソン症状

手足の震えや筋肉のこわばり、動作が緩やかになるなどのパーキンソン症状が起こります。

睡眠時の異常行動(レム睡眠行動障害)

睡眠時に声で叫んだり、暴れたりするなどの異常行動が現れます。

自律神経症状

めまいや立ちくらみ、動悸、便秘、疲労感、倦怠感などの自律神経症状が現れます。


レビー小体型認知症の検査

認知機能検査​

認知機能検査では、医師の質問に回答する形式の検査や図形を描くテストなどを行います。記憶障害の症状がほとんどない初期であっても、注意や実行機能、視空間認知(目から入った情報から物の位置や向きを認識する能力)の障害が認められることがあります。

脳血流SPECT検査

脳血流SPECT検査とは、脳の各部における血流の状態を画像化する検査です。レビー小体型認知症になると後頭葉や後部帯状回、楔前部(けつぜんぶ)に血流の低下が見られます。脳血流SPECT検査は当院では行っていないため、必要な場合は連携する医療機関を紹介します。

MIBG心筋シンチグラフィ検査

MIBG心筋シンチグラフィ検査とは、MIBGという物質を注射して、心臓の交感神経の働きを画像化する検査です。レビー小体型認知症の原因物質であるレビー小体は心臓をコントロールする交感神経にも表れるため、初期のレビー小体型認知症でも異常を見つけることができます。また、MIBG心筋シンチグラフィ検査は、他の認知症疾患との鑑別にも役に立ちます。MIBG心筋シンチグラフィ検査は当院では行っていないため、必要な場合は連携する医療機関を紹介します。


レビー小体型認知症の余命(どれくらい生きられる?)

レビー小体型認知症の余命は、個人差はあるものの10年未満とされています。進行すると、嚥下機能が衰え、肺炎を起こすことで亡くなる場合が多いです。


レビー小体型認知症の予防

レビー小体型認知症の予防方法ははっきりとはわかっていませんが、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠などの健康な生活習慣は認知症のリスクを低減することに役立つとされています。また、その他にも、社交的な活動や読書やパズルなどの脳を刺激する活動は認知症のリスクを低減するとされています。