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市販の頭痛薬が効かない頭痛

頭痛の種類

片頭痛

片頭痛とは、何らかの原因で脳血管の周辺にある三叉神経が刺激され、脳血管に炎症が生じて起こる頭痛です。ズキズキとした脈打つような頭痛が頭の片側もしくは両側に起こります。また音や光に対しても敏感になり、吐き気を伴うこともあります。片頭痛は女性に多く発症し、その数は男性の約4倍と言われています。精査・年齢・遺伝のほか、脳血管が拡がる原因は、カフェインやアルコール、日常におけるストレスなどがあるとされています。

片頭痛

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、ストレスや長時間のパソコン作業などの同じ姿勢を保つ作業によって肩や首の筋肉が緊張することが原因で起こる、頭を締め付けるような頭痛です。強い痛みが起こることは稀です。頭痛の中で最も患者数が多い頭痛であるとされており、患者数は約2000万人であるとされています。事務作業をしている方や運転手をしている中高年の方の発症が多いです。

緊張型頭痛

群発頭痛

群発頭痛とは、左右のどちらかの目の奥に起こる強い頭痛で、目玉がえぐられるような痛みと表現されます。一般的な鎮痛薬は効かない程痛みが強く、一日の中の同じ時間に起こるという特徴があります。また群発性頭痛は15分から3時間程度続いた後、何もなかったかのように症状が治まります。強い痛みにより、鼻水や涙が出たり、目が充血することもあります。

群発頭痛

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛とは、頭痛薬を常用することで脳が痛みに敏感になってしまい、ちょっとした刺激を強い痛みとして感じるようになることで起こる頭痛です。頭痛が起こる度に鎮痛薬を飲み、月に10日以上鎮痛薬を服用していると、薬物乱用性頭痛を起こす可能性があります。特に市販薬で薬物乱用性頭痛を起こすことが多くなっています。

薬物乱用頭痛


頭痛薬が効かない理由と対処法

頭痛薬が効かない原因は、以下のことが考えられます。

薬の服用のタイミング

痛みが出現し始めた際にすぐ薬を服用しないと、体の中で痛みの原因物質が増加してしまい、鎮痛剤が効かないことがあります。薬は痛みが出現し始めたタイミングで服用しましょう。

鎮痛薬の多用

鎮痛薬を多用すると(1ヵ月に10回以上)薬物乱用性頭痛になるリスクが上昇します。過度に鎮痛薬を服用すると、神経が過敏になり、かえって痛みに敏感になることがあります。比較的短い期間の薬物乱用性頭痛は、薬を止めると、2週間程度で治まります。

薬が合わない

合わない薬を服用すると、鎮痛効果が十分に現れないことがあります。頭痛薬には様々な種類があるため、効果の強さや効き方、作用時間などご自身に合った薬を探しましょう。また、普段から使用している頭痛薬を飲んでも症状が改善されない場合には、重大な疾患が潜んでいる可能性があるため、一度服用を止めて脳神経外科を受診しましょう。

頭痛の慢性化

頭痛薬を長期にわたって使用していると、薬に対する耐性ができ、頭痛の性質が変わることがあります。元々は片頭痛だったものが緊張型頭痛の症状と混ざるようになるなどの場合があります。月15日以上頭痛のある日があり、うち半分以上が片頭痛の徳直がある場合、慢性片頭痛となります。頭痛は慢性化すると、治るのが遅くなるため、慢性化する前に適切な治療を受けましょう。


頭痛薬の種類

非ピリン系鎮痛剤(NSAIDs)

非ピリン系鎮痛剤(NSAIDs)には、イブプロフェンやロキソプロフェンなどがあります。非ピリン系鎮痛剤は、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが生成されるのを防ぐことで鎮痛効果を発揮します。痛みを感じたらすぐに服用することを推奨します。プロスタグランジンは痛みの原因物質でありながら、胃の粘膜を保護する作用がある物質であるため、胃が弱い方の非ピリン系鎮痛剤の服用は注意が必要です。胃が荒れることを防ぐ目的で、胃の粘膜を保護する成分を含んでいる鎮痛剤もあります。

ピリン系鎮痛剤

ピリン系鎮痛剤は非ピリン系鎮痛剤と比べて優れた鎮痛効果が期待できます。市販薬として販売されているピリン系鎮痛剤はイソプロピルアンチピリンのみです。ピリン系鎮痛剤は高い鎮痛作用を持つ一方、非ピリン系鎮痛剤と比べるとアレルギーを起こす可能性が高いため注意が必要です。

漢方薬

漢方薬は鎮痛剤のイメージがあまりないかもしれませんが、頭痛に対して効果が期待できる漢方薬があります。葛根湯(かっこんとう)には、筋肉の緊張を和らげる効果があるため、緊張型頭痛に効果があります。呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、血液循環を改善する効果があるため、ズキズキと痛むような片頭痛に効果があるとされています。釣藤散(ちょうとうさん)は高血圧傾向でめまいを伴う頭痛に効果があります。漢方薬は、他の鎮静剤と組み合わせて使用できます。


市販薬の選び方

解熱鎮痛剤は頭痛や他の症状、体質に合わせて選びましょう。また、頭痛薬の中には喘息を誘発するものがあるため、喘息を持っている方は市販薬を購入する際には薬剤師に相談しましょう。また、頭痛薬の服用が1ヵ月に10日以上の場合は薬物乱用性頭痛を起こす場合があるので注意しましょう。

風邪の際に熱がある頭痛

頭痛薬には鎮痛作用の他に解熱作用があるため、風邪だけでなく、熱を伴う頭痛にも有効です。その際、片頭痛が悪くなっている場合もあります。その他にも、歯痛や筋肉痛、生理痛にも有効です。

胃が荒れることが心配

一般的な頭痛薬や解熱鎮痛剤には、胃の粘膜を荒らす副作用があるため、胃が弱い人は胃に負担があまりない薬を選ぶと良いでしょう。アセトアミノフェンは胃に負担があまりかからないため、タイレノールなどがお勧めです。タイレノールは空腹時にも使用できます。また、ロキソニンSクイックなどは胃を守る成分を配合しています。

強い痛みがある場合

強い痛みがある場合は、即効性があり鎮痛効果が高いピリン系鎮痛剤を含むものを選びましょう。市販薬で販売が許可されているピリン系鎮痛剤はイソプロピルアンチピリンです。イソプロピルアンチピリンを含む「セデス・ハイ」はカフェインやアミノフェンなどの頭痛を抑える成分を複数配合しています。ピリン系鎮痛剤はアレルギーを引き起こす可能性があるため注意しましょう。過去にピリン系鎮痛剤でアレルギーを起こしたことがある場合は服用いただけません。それでもいまいちな場合は、トリプタン製剤やレイボーなどを診療所で相談しましょう。


病院へ行くべき症状

頭痛は脳の疾患が原因になっている場合があります。頭痛薬が効かない頭痛は脳に異常がある可能性があります。以下の項目に当てはまる場合は脳神経外科を受診しましょう。頭痛診療の基本は、危険な頭痛でないかを調べることです。

  • 頭痛薬が効かない頭痛
  • 原因不明の頭痛
  • 繰り返す頭痛
  • 生活に支障がある頭痛
  • めまいやふらつき、痺れなどの症状を伴う頭痛
  • 今までで感じたことがないほど強い頭痛
  • 50歳以降で初めて感じるようになった頭痛(滅多に頭痛にならない人)