後頭神経痛とは
後頭神経痛とは、頭皮の末梢神経が知覚過敏になることで起こる後頭部の神経痛です。後頭神経痛はどの神経に痛みが起こるかによって3種類にわかれ、「大後頭神経痛」「小後頭神経痛」「大耳介神経痛」があります。神経痛は鋭い痛みで、神経障害性疼痛に属します。
後頭部がズキン・ズキンする原因は?
後頭部がズキズキ痛む場合は、痛みの発生場所が頭蓋外の皮膚や筋肉、血管、神経などであることが考えられ、皮膚の場合は頭部毛包炎、筋肉の場合には緊張型頭痛、血管の場合には片頭痛、神経の場合には後頭神経痛や帯状疱疹が考えられます。
テレワークで後頭神経痛?
後頭神経痛の原因
長時間のデスクワークやスマホの操作
後頭神経痛は方や首の筋肉がこわばるような姿勢を長時間続けている方に多く、長時間のデスクワークやスマホの操作によって後頭神経痛を起こすことがあります。また、長時間のうつむいた姿勢を維持することで起こるストレートネック(スマホ首)も、後頭神経痛の原因になるため注意しましょう。
精神的なストレス
精神的なストレスが原因で、肩や首の筋肉が緊張することがあるため、精神的なストレスによって後頭神経痛が起こることがあります。また、気候の変化が後頭神経痛の誘因になることがあるとされており、雨の日の前日などに後頭神経痛が起こることがあります。
姿勢の悪さ
猫背などの悪い姿勢は、大後頭神経を圧迫するため、後頭神経痛を引き起こすことがあります。また、パソコンの画面を2画面(デュアルモニター)にして操作する方は、首を左右にひねることで姿勢が歪み後頭神経痛が起こることがあります。
肩こり・首こり・筋緊張性頭痛
肩や首の凝りによって後頭神経痛が起こることもあります。また、後頭神経痛は緊張型頭痛とも関係があるとされており、場合によっては後頭神経痛と緊張型頭痛を合併することがあります。当院では、症状が継続している場合、両者に対する治療を行います。
後頭神経痛の症状(セルフチェック)
- 片側の首から後頭部や頭頂部にかけてチクチク、キリキリ、ズキズキとした鋭い痛みがある(両側の首からは起こらない)
- 電気が走るような痛みが繰り返される
- 一度痛みが起こると数日間から数週間痛みが続く
- 急に首を前後に倒したり、回したりすると痛みが生じる
- 髪をとかしたり、頭部に触れるだけでも痛むことがある
- 痛みが強いときは、枕に後頭部が触れるだけでもつらく、寝れないことがある
- 雨の日の前日に痛みが起こることが多く、雨が降ると治る
後頭神経痛の検査
二次性頭痛(他の原因によって起こる頭痛、特に椎骨動脈解離)でないことを確認するためにMRI検査などの検査を行います。また、椎骨動脈解離や帯状疱疹が原因となる神経痛の場合は、治療方法が大きく異なるため、検査による診断をしっかりと行う必要があります。
後頭神経痛の治療(治し方)
後頭神経痛の治療は、姿勢の改善や精神的なストレス解消などによって、後頭神経痛を引き起こす原因を取り除くことを行います。また、症状や原因に合わせて薬物療法を行うこともあります。薬物療法では、鎮痛作用や消炎作用のためのロキソニンやボルタレン、筋肉の緊張をほぐす薬、上半身の血流を改善するための漢方薬を用いることなどがあります。後頭神経痛は1週間ほどで自然に治ることが多いですが、痛みが強い場合や症状が続く場合は我慢せずに医療機関を受診しましょう。特に後頭神経痛は日常動作が原因になっていることがあり、場合によっては仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。また、帯状疱疹のような他の疾患が潜んでいる場合もあります。
後頭神経痛のあるときは冷やしたほうがいい?温めたほうがいい?
後頭神経痛があるときは痛い箇所をアイスノンなどで冷やしましょう。温めたりマッサージを行うと血管拡張が促進され、痛みを悪化させる恐れがあるため注意しましょう。