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睡眠時無呼吸症候群による頭痛

睡眠時無呼吸症候群による頭痛とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞といった、様々な病気を引き起こす原因となります。同居人がいる場合は、いびきがひどいなどの指摘をうけることで気づきますが、一人暮らしの場合は、ほぼ連日性に起床時の頭痛・集中力の欠如およびだるさ・抑うつ・日中の眠気などから疑う必要があります。この頭痛は、根本的に解決しないと薬をのんでもなおりません。また、国内外の研究で、睡眠時無呼吸症候群が重度である場合、死亡率が高くなるということが判明しています。疑わしく思う方は是非ご相談ください。
この睡眠時無呼吸症候群が原因の頭痛を、「睡眠時無呼吸性頭痛」といいます。睡眠時無呼吸性頭痛は、睡眠中に低酸素状態・高炭酸ガス状態が続くことが原因で起こり、群発頭痛などほかの頭痛との関連も指摘されています。
起床時に頭痛がある、両側性、1か月に15日以上頭痛がある、30分以内に痛みが治まるといった特徴がみられる場合、睡眠時無呼吸性頭痛が疑われます。

鑑別疾患:群発頭痛・睡眠時頭痛・片頭痛・緊張型頭痛

群発頭痛は、目の奥や目の周囲からこめかみにかけて、突き刺すようなキリキリとした激しい痛みが生じるのが特徴で、この症状は1-2時間と比較的短時間で一旦治まります。群発頭痛の症状は、一度起きると数週から数か月の間、毎日生じるのも大きな特徴です。頭痛は片側のみにおこり、目の充血や涙、鼻水などを伴うこともあります。原因は三叉神経や頭部自律神経になんらかの異常が生じていることであると考えられており、アルコールによって発作が誘発されることも多いです。女性より男性に多く、20~40歳代の男性によくみられます。
睡眠時頭痛は、国際分類でのその他の一次性頭痛の一つであり、50代くらいの女性に多く、深夜の2時前後に覚醒をともなう頭痛です。目覚まし頭痛と言われております。鑑別と治療はお任せください。
片頭痛は、眠前に違和感がある場合は、就寝中に増悪する場合があります。また、低血糖状態や朝方の悪夢などによりスタートします。起床時片頭痛の極に至っているケースもございます。また、ストレスなどで浅眠となっている方は、緊張型頭痛も併発する場合がございます。併せて鑑別はお任せください。


いびきと頭痛について

呼吸の通り道が狭く、無呼吸になってしまう閉塞性睡眠時無呼吸症では、ほとんどの場合いびきを伴います。そして、睡眠時無呼吸や睡眠障害は頭痛と深い関係があります。
しかし、睡眠時無呼吸を伴わないいびきである、慢性いびき症に関しても、頭痛と関係していると指摘されています。いびきをかく回数が多いと、頭痛が伴うことが多いとも報告されています。片頭痛の増悪する原因の8割に睡眠の不調をともないます。また、睡眠が浅い浅眠状態が続くと、頭痛のみならず、アルツハイマー型認知症やうつ病の原因にもなりますので、睡眠の質と量はとても重要です。
頭痛が繰り返し起こり、いびきの症状がみられる場合、お気軽に当院までご相談ください。


睡眠不足で頭痛が起きる?

上述のように、頭痛と睡眠の関係について、頭痛は睡眠障害を引き起こし、また、睡眠障害によって頭痛が起こるといわれてきました。
片頭痛では、睡眠障害が症状を誘発し、十分な睡眠は痛みを解消すると報告されています。また、片頭痛をもつ場合、片頭痛のない人より日中に眠気を感じやすく、その割合は片頭痛の無い人と比べおよそ3倍にものぼります。
また、緊張型頭痛は、ストレス頭痛とも呼ばれ、睡眠不足によって悪化すると判明しています。アミトリプチリンという三環系抗うつ薬は、老若男女を問わず、半世紀も前から緊張型頭痛の治療薬で、いまでも第一線で活躍する薬です。10円足らずで、睡眠の質も改善し、抗ストレス効果も高まり、緊張型頭痛もなくなるという脅威のコスパであると感じます。アミトリプチリンの生産が不足しがちな最近、SNRIという抗うつ薬の少量使用も代案としてございますので、個別に相談のうえ対応したいと思います。


「レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)」による頭痛

レストレスレッグス症候群は、むずむず脚症候群とも呼ばれる睡眠障害の1つです。この病気自体が頭痛の原因になるわけではありませんが、片頭痛の患者様は、頭痛持ちでない方よりも有病率が高いとも報告されており、片頭痛患者様に合併しやすいといわれています。
足の不快感や動かしたくなる強い欲求は不眠を招きます。夜や安静時に症状が酷くなったり、足を動かすと軽減したりする場合、レストレスレッグス症候群が疑われますので、当院までご相談ください。


睡眠不足・寝つきが悪い原因は病気のサイン?

肝臓に負担がかかっている

朝起きられない、寝起きの悪さがある場合、肝臓に負担がかかっているということが原因として考えられます。食べ過ぎや飲み過ぎ、睡眠不足、過度な運動、ストレスなどは肝臓の負担に繋がります。肝臓は、体の様々な臓器と関連しています。そのため、肝臓に負担がかかると、肝臓だけでなく体全体に影響が出ます。また、肝臓は神経とも深く関わっているので、疲れが抜けにくいといったような症状も、肝臓への負担が原因であることがあります。
食べ過ぎないようにする、飲酒を控える、ストレスを溜めず発散する、運動量を見直すといったことを心がけ、日常生活を改善することが、症状の改善に繋がります。

睡眠相後退症候群

寝起きが悪く、早く寝ようとしても深夜まで眠れず、その結果、朝に起床することが困難となり起きるのが正午近くになってしまうというような状態が続く場合、睡眠相後退症候群が疑われます。
体温やホルモンのバランスが崩れ体内のリズムが、3~4時間程度後ろ倒しになってしまっていることが原因だと考えられています。幼少期や思春期に発症しやすく、試験勉強や遊びでの夜更かしなど、些細な出来事がきっかけになります。治療方針は、患者様の症状に合わせて検討し、専門で治療を行っている医療機関をご紹介させていただく場合もございます。

起立性調節障害

起立性調節障害は、小学校の高学年から高校生の頃に発症するといわれている病気です。

主な症状としては

  • 寝起きが悪い
  • 頭痛がする
  • 立ちくらみがする
  • 立っていると気分が悪くなる
  • めまいがする
  • 少し動いただけで動悸、息切れがある
  • 疲れやすい
  • 腹痛

といったものがあげられます。

病気であると判断されることが難しく、怠けているようにみられてしまいやすいですが、患者様ご自身でもどうしてそうなってしまうのかわからず、お困りになるケースが多いです。起立性調節障害の原因は交感神経や副交感神経といった自律神経系に問題があり、体をうまく調節できないことで、決して怠けている、だらけているわけではありません。なお、頭痛やめまいを伴う起立性調整障害が疑われる場合、難治性であれば連携する医療機関をご紹介いたします。