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こめかみが痛い頭痛(スマホ頭痛)

こめかみとはどこにある?

こめかみとは、耳の上あたりの側頭部のことで、物を噛むと動く部分です。


こめかみが痛い原因

片頭痛

片頭痛は、三叉神経から分泌されるCGRPというペプチドが原因となり起こる疾患で、こめかみや目の奥、頭部・後頚部・顔面などがズキンズキンと脈打って痛むことが特徴です。若い女性に多い疾患で、月に1回程度の頻度で繰り返し症状が起こります。症状が起こる前には、目の前がチカチカしたりしゃべりづらくなるなどの前兆がある場合や、軽い頭痛で生じることがあります。医療機関を受診し、正確な診断と、正確な頻度重症度評価、その他の原因を排除したのち、予防薬などを用いて治療していくことが重要です。

片頭痛

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、パソコン作業などの長時間同一姿勢によって肩から首にかかっての筋肉の血流が悪くなることで起こる頭痛です。ストレスや不眠があるとさらに悪くなります。スマホの使い過ぎで発生する場合などもあり、スマホ頭痛と呼ばれるケースもあります。ストレッチで筋肉をほぐすことや運動・マッサージ・入浴などが有効で、鎮痛剤を内服することで症状を改善することも期待できます。

スマホ頭痛について

頭痛の頻度・重症度を悪化させる因子のひとつに、スマホがあります。特に、頭痛持ちの子供や若い女性において注意が必要です。スマホの普及と相まって抑うつや自律神経失調をはじめとした不定愁訴がふえていることが知られています。スマホが及ぼす悪影響は以下のようなものがあります。

ブルーライト

スマホだけではありませんが、モニター画面からはブルーライトという種類の光が出ています。眼球内の硝子体を通過して網膜へ達することで、神経系への負荷をかけるといわれています。フィルムやメガネなどブルーライトカットできるものもあるので、仕事上で使用頻度が高い方は対策が必要です。画面照度を自ずと下げている片頭痛患者さんもいますが、それも一方です。また、22時以降など社会的に副交感優位になる時間帯は避けた方がよいでしょう。

スマホ姿勢

頚部前屈と猫背で、長時間同一姿勢で作業すると、僧帽筋を中心とした頚椎後部・上背部の支持筋肉の緊張が強くなり、慢性首肩コリの原因となります。同筋肉群は、自律神経への影響が強く、硬く凝り固まってしまうと副交感神経が弱まり、集中力や作業効率の低下、気分障害の原因となります。長期的にみると、頚椎配列がまっすぐになるストレートネックを助長し、さらに凝りやすくなる悪循環に陥ります。特に猫背にならないように注意し、断続的に休みながら作業することが必要です。

ネット社交

日中は、学校や会社で多くの人と関わります。その中で、様々な形での人間関係の負荷も生じています。社会活動が終了して帰宅すれば、他者との関わりを離れて脳を休める時間となります。しかし、SNSにより、場合によっては深夜におよび社交の場が継続されます。ポジティブな結果であればよいのですが、負担になっている場合は、夜間は通信を切ってほっとすることも必要です。特に、お子さんの頭痛においては、もれなくスマホ依存になっているように感じます。深夜に及ぶ長時間のスマホは、不眠や、朝起きれない、切れやすい、立ち眩みやめまいを伴うなどの、自律神経失調症に至っている頭痛患者さんの環境因子の一つとして注意していく必要があります。

緊張型頭痛

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、頭部の外傷をきっかけに頭蓋骨の下にある硬膜と脳の間(くも膜外)にじわじわと血液が溜まって血腫ができる疾患です。少量出血しても特に症状はありませんが、血液が徐々に溜まってくると、脳が圧迫されることで、頭痛や麻痺、意識障害が起こります。軽度であれば投薬にて保存的に経過観察が可能ですが、症状が出た場合は手術による治療が必要です。高齢者に多く発症する疾患です。なお、手術が必要な場合には、連携する医療機関をご紹介いたします。

くも膜下出血

くも膜下出血によってこめかみの周辺や後頭部が痛むことがあります。くも膜下出血とは、何らかの原因でくも膜下腔(くも膜と脳軟膜の間の脳脊髄液に満たされた隙間)の動脈が破れ、くも膜下腔に出血する疾患です。出血量が多いと、頭蓋骨の中の圧力が上昇し、一気に意識を失う場合もあり、再出血すると死亡する可能性がありますので、すぐに治療が必要です。くも膜下出血が疑われた場合、連携する医療機関をご紹介いたします。

くも膜下出血

脳腫瘍

脳腫瘍が大きくなると、脳を圧迫して麻痺やけいれん、頭痛やめまいを生じます。脳腫瘍は様々な種類があり、中には短時間で大きくなるものもあります。眼窩内の腫瘍や三叉神経鞘腫などの場合は小さくても痛みを誘発する可能性があります。脳腫瘍は症状がない場合は経過を見ることも多いですが、症状がある場合は手術を行います。また、画像上、病理の確認が必要と思われる場合も手術が必要となります。

側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)

側頭動脈炎とは、自分自身の免疫が血管の壁を攻撃してしまい、炎症が起こる疾患で、特に側頭部の動脈に特異的な炎症が起こります。炎症が起こると、その箇所は熱間をもって腫れて痛みます。痛み止めを用いて一時的に痛みを抑えることはできますが、原因の治療が必要であるため、免疫に対する専門的な治療を行う必要があります。必要に応じて連携する医療機関をご紹介いたします。

歯痛

虫歯や歯肉の痛みがこめかみの痛みを引き起こすことがあります。特に奥歯の痛みがこめかみの痛みとして放散して感じられることが多いです。痛みが続く場合は、早期に治療を行う必要があるかもしれないため、歯科を受診しましょう。


寝不足・不眠で頭痛が悪くなる方へ

寝不足や不眠によって、緊張型頭痛や片頭痛が悪くなる場合があります。片頭痛の多くは片方のこめかみから目にかけてズキズキと脈打つように起こる頭痛で、痛みの他にも光や音に敏感になるという特徴があります。片頭痛は、寝不足のほかに、ストレスや天候・気圧の変化によっても起こるとされています。緊張型頭痛や睡眠時無呼吸症候群の場合は、安定した睡眠管理により頭痛は軽くなります。