頭が一瞬ズキッとする原因
後頭神経痛
後頭神経痛とは、何らかの原因で後頭部の皮膚の末梢神経がダメージを受けて痛む状態です。主な症状は、後頭部や頭頂部、側頭部の片側の痛みで、電気が走るように痛みます。耳の後ろや耳の中などに痛みを感じることもあります。痛みは多くの場合は数秒程度ですぐ治まりますが、長引く場合や、しびれを伴う場合は受診が必要です。後頭神経痛は、スマートフォンやパソコンの画面を長時間見ることなどによって肩や首の筋肉に負担がかかることで起こりやすいとされています。また、緊張型頭痛と併発する人も多いです。後頭神経痛は帯状疱疹ウイルスによって起こることもあります。治療は、抗炎症薬や鎮痛薬などによる薬物療法や、痛みが強い場合にはブロック注射を行います。帯状疱疹の場合は抗ウイルス薬を用います。また、緊張型頭痛を伴う場合は緊張型頭痛の治療も行います。
三叉神経痛
三叉神経痛とは、脳内の動脈や腫瘍が、顔の感覚を脳に伝える「三叉神経」に接触することで起こる神経痛です。三叉神経痛は、電気が走るような突発的な激しい痛みが起こり、顔や前頭部の左右どちらかに症状が現れます。痛みは数秒から数十秒で治まります。顔を触ったり動かしたりすることで症状が誘発されることがあります。三叉神経痛の診断は、問診とMRI検査などの脳画像検査用いて行います。治療は、主に薬物療法を行い、効果が現れない場合は神経ブロック療法を行うこともあります。重症で生活に支障をきたす場合は、手術を行い、三叉神経に接触している動脈を離す根本治療を行います。
頭が一瞬ズキッとする頭痛には危険なものもある?
頭が一瞬ズキッとする頭痛は、脳腫瘍、脳血管の異常のサイン(椎骨動脈解離など)かもしれません。脳腫瘍や脳動脈瘤などの血管の異常は、三叉神経領域に接触し、一瞬のズキッとした痛みを起こすことがあります。脳腫瘍は進行すると他の神経を圧迫する可能性があり、悪性の場合は命に関わる可能性もあります。また、脳動脈瘤は大きくなり破裂するとくも膜下出血を引き起こします。椎骨動脈解離はベースに微弱な肩こり様の痛みがあることが多いです。頭部の回旋やせき込みなどにより神経痛様の痛みを引き起こすことがあります。頭痛が続く場合は、放置せず、医療機関で精密検査を受けましょう。
雷鳴頭痛とは
雷鳴頭痛とは、突然に起こる雷に打たれたかのような激しい頭痛で、1分未満で痛みがピークに達します。脈打つ頭痛が特徴で、頭痛は1時間から10日間程度続きます。上記の単発でおこる神経痛とは異なり、一定時間ずきんずきんとした強度の頭痛がおこります。内服薬が効かないことが多いです。MRI検査やCT検査などの脳の様々な検査を行っても異常が見つからない場合は一次性雷鳴頭痛となります。初回の痛みから1か月前後にMRIにて血管攣縮を多発に認める場合は、可逆性脳血管攣縮症候群となります。初回では、くも膜下出血の鑑別など必要となりますので、受診のうえ診察をうけてください。特に可逆性脳血管攣縮症候群やくも膜下出血だった場合、安易に片頭痛薬トリプタン製剤を使うことにより脳卒中を惹起してしまうことがあるので注意です。ニモジピン(国内未承認薬)という薬が有効であるとされています。